心臓のこと忘れてた

2018年26歳のときに心室頻拍発生。カテーテルアブレーションでの根治を目指しつつ、ICD植込みを検討中。同じくVT患者さま、ICD植込みされた(しなかった)方は、良ければご連絡ください:texas.horsuke@gmail.com

心室頻拍当日(入院の始まり)

僕が入院を余儀なくされたのは、昨年12月中旬のある日。その日は早朝から仕事があり、起床は珍しく朝5時。寒空の中、以前からせっせと仕込んでいた仕事ということもあり、張り切って出かけました。日中は全く体調に変化はなく、無事に仕事をこなし、19時頃には家路についていたかと思います。

わりと大きな仕事が終わり、ほっとしながら家で食事を取りました。普段なら、その後お風呂に入り、深夜2時頃まで起きていることが多いのですが、この日は朝も早かったため、お風呂にも入らず、そのまま寝てしまおうと考えました。20時過ぎだったかと思います。よっこらせ!と、ベッドに潜り込み、横になったその瞬間、いきなり身体のどこかが痙攣しているかのような状態になりました。自分の身体がその振動で跳ねるほどで、ひどく喉が渇き、呼吸も浅くなりました。とても横になっていられません。

しかし、このときの僕の感想は「面倒くさいなあ」でした。というのも、以前にも2度ほど同じ症状が出ており、そのときは自然と治まっていたからです。しかも、最初に起きたときに「明らかにおかしい!」と思い、自力で救急車を呼び、病院で見てもらったのですが、「異常なし」で帰されてしまっていたのです(このときは救急車の中で自然と痙攣が治まったため、心電図で検出できず)。そのため、この痙攣に対しては「単なる動悸」として自分の中で処理しており、このときはひたすら痙攣が自然と治まるのを待ちました。心室頻拍の恐ろしさを知った今では「なんて危険な!」と思うのですが、寝ているより楽だったため、部屋の中を歩き回りながら待っていました。

ただ、このときはなかなか治まらず、「あー、今回は長いなあ」と思い、ふと時計に目をやると、なんと22時を回っていました。もう2時間も経ってるじゃないか! 早く治まってくれないと明日の仕事に支障が出るわ!ということで、やっと救急車を呼びました。すると、以前の問題なかったときと全く同じ救急隊の人たちが来たので、「たぶん問題ないのに、お手数かけてすみません」などと思ったのを覚えています。

病院へ搬送中、車内で「念のため親御さんに連絡するね」と言われましたが、「え〜、別にいいですよ」なんて会話をしていたことからもわかるように、事の重大さに僕は全く気付いていませんでした。

病院に着くやいなや、結構な形相で看護師さんや医師の方々が僕を取り囲みました。右腕に点滴の針を指し、まずは薬でこの痙攣を止めようと試みているようでした。この間、看護師さんは「大丈夫!? しっかりして!!」とさかんに声掛けしてくれたことを覚えています。「いや、全然大丈夫だよ、大げさだなあ」と僕は思っていました。

しかし、薬で痙攣は止まりません。すると、看護師や医師同士で何やら相談が始まったのですが、なぜか医師と思われる人がずっとスマホを見ていました。「こいつ、スマホ見てないでさっさと痙攣止めてくれや!!」。そう思ったのを妙に覚えています(もしかしたら、医師同士で連絡を取っていたり、僕の夢だったという可能性もありますが)。

けっきょく、その日の記憶は、その「スマホ見てんじゃねえ!」が最後。気付くと、ガチガチに固定された病院のベッドの上で目を覚ましました。次の日の朝6時でした。