心臓のこと忘れてた

2018年26歳のときに心室頻拍発生。カテーテルアブレーションでの根治を目指しつつ、ICD植込みを検討中。同じくVT患者さま、ICD植込みされた(しなかった)方は、良ければご連絡ください:texas.horsuke@gmail.com

入院生活の始まり

救急車での搬送後、気付いたらベッドの上。朝6時。警告音のようなものがひっきりなしに鳴り響いており、とにかくうるさかったことを覚えています。それもそのはず、僕のいた部屋はナースステーションのすぐ真横。よくナースステーションからの距離で患者の重症度が測れると言いますが、どうやら僕は最も重症に分類されるらしい…。

看護師さんから「あとで医師から説明があります」と、全く飲食できない状態で待たされること2時間。30歳前後と思われる医師が8時過ぎぐらいに登場し、深刻な表情で「不整脈には2種類あるんだけど、◯◯くんは致死性に分類される、非常に危険な不整脈が出ちゃっていました」と告げました。

チシセイ? はて? 要は、死に至ることもある不整脈が出ていたということらしいのです。病名を書いた紙には、「持続性心室頻拍」と書かれていました。よく親戚のおばちゃんが「不整脈が出ちゃって…」なんて話をしていたけど、まさか自分にそれが起きるとは思ってもいませんでした。

ただ、僕が搬送された病院には不整脈の専門医がいるわけではなかったので、後日専門医のいる大学病院で詳しい治療について聞いてほしい、ということでした。おそらく「カテーテルアブレーションという治療をすることになると思う」と言われました。カテーテルなら幼い頃に何度か経験があるため、そこまで心配していませんでした。

現在もなんですが、入院中の僕の体調は極めて良かったです。というのも、僕は普段から不整脈に苦しまされていたというわけではなく、ただいきなり致死性の不整脈が出てしまった、というだけです。そのため、その一発が出てしまうと非常に危険なわけですが、それが出ていない限りは、つまりほとんどの時間はすこぶる元気なんです。

入院3日目ぐらいまではトイレにすら行かせてもらえず、全てベッド周辺で行うことを余儀なくされたのですが、元気なぶんめちゃくちゃ辛い。簡易トイレ(中にバケツが入っている)を持ってこられ、「大きい方はこれで」と言われたときは本当に泣きそうになった。周りもみんなその状態の患者さんばかりなわけですから、一日中部屋の中が臭くてたまらない…。ここで飯食えるやついる!?と、文句ばかり言っていました。

3日目以降は、状態が安定しているとのことで、ナースステーション真横の部屋から軽症の患者さんの部屋に移動させてもらいました。付き添いありなら移動もOKになり、だいぶ快適に過ごせるようになりました。まあそれでも、いわゆる「院内フリー」というやつで、一人で下の売店に行くことなどは許されませんでしたが。

けっきょく、最初の病院には1週間ほど入院し、退院。次の日に大学病院にかかることになっていたわけですが、この中日一日は一人暮らしの自宅で過ごさねばならず、「もし、今また心室頻拍が起きたら…」と思うと満足に眠れませんでした。この中日に、不整脈の恐ろしさが少しわかった気がしました。