心臓のこと忘れてた

2018年26歳のときに心室頻拍発生。カテーテルアブレーションでの根治を目指しつつ、ICD植込みを検討中。同じくVT患者さま、ICD植込みされた(しなかった)方は、良ければご連絡ください:texas.horsuke@gmail.com

1度目のアブレーション

いよいよカテーテルアブレーション当日。

カテーテルアブレーションとは、問題となっている不整脈の回路自体を焼灼する治療法ですが、そのためには問題の回路自体を確定させなければいけません。確定には、電気刺激により、施術中に実際に問題の不整脈を起こし、その回路をマッピングする必要があります。一般的な治療のイメージと言えば、事前の精密検査により病変箇所を確定させ、手術自体はそこをめがけて行うというものでしたが、不整脈治療の場合は事前に回路を確定することができないため、まさに「やってみないとわからない」治療なのです。

前日の主治医からの説明によると、心房起源の上室性頻拍より、心室性の頻拍は誘発するのが難しいらしく、正直成功率は低いだろう、とのことでした。このとき、僕はアミオダロンという抗不整脈薬を前日まで処方されていたため、なおさら誘発されにくい状況。この「誘発が難しい」と聞かされたとき、だったら薬なんて処方するなよ!と思いましたが、ICDなしの持続性心室頻拍の患者に対し、薬を抜くという判断はなかなかできない、とのこと。

というわけで、施術中に問題のVTが発生することを祈りながら、手術室に向かいました。

カテ挿入までは、検査のときと同様。違いと言えば、数日前に検査を行ったため、まだ血管が硬くなっているとのことで、挿入するときは検査時より痛かった……(骨盤のあたりを上からめっちゃ押される)。

挿入後は、カテを心臓の右室まで持っていき、いよいよ誘発開始。電気刺激により心臓がドクンドクンと動き、かな〜り気持ち悪いです…。ただ、誘発できないと話にならないため、必死に耐えます。

ドクンドクン、ドクンドクン、ドクンドクン……誘発できない!!!!

この誘発だけでおそらく1時間以上は使ってくれたかと思いますが、全く出ません。医師も「出ないね〜」と困り顔。

結果、回路が確定できないまま、焼灼を行うことになりました。というのも、僕のような術後の合併症としての不整脈の発生起源はだいたいのパターンがあるらしく、可能性が高いところを焼いていく、ということになりました。焼灼中は、胸のあたりがじんわりと熱くなり、すごく嫌な感じです。ただ、1度の焼灼は10秒程度のため、耐えられないというほどではありません。

途中からは、施術が長丁場になったということもあり、軽く鎮静をかけてもらった上での治療。昼前に始まり、終わったのは夕方17時頃でした。2〜3時間で終わることも多いと言われるアブレーションですが、今回はかなり粘って治療していただけたことがわかります。

とはいえ、問題となっている持続性心室頻拍の治療ができたか否かは、全くの未知数。焼灼した部分でビンゴならOKだし、違っていればその回路は未だに健在のため、治療効果はなし。治療が成功したかどうかは、医師にも僕にもわかりません。そのため、主治医の意見としては、やはりICDの植え込みを勧める、ということでした。

悩みに悩みました。引っかかっているのは、たとえICDの植え込みをしても、治療ができていなかったら頻回に作動する可能性があるのではないか、ということ(QOLの低下)。そして、本当にこの主治医の提案してくれている治療が全てなのか、という疑念は消えませんでした。全力を尽くしてもらったのは理解できますが、この一人の主治医(正確にはチーム)の意見だけで、今後の人生を大きく左右する決断をしていいものか。

出した結論は、セカンドオピニオンでした。自分で調査に調査を重ね、ぜひここの病院のこの先生に話を聞きたい!と主治医にお願いしました。翌週、紹介状を2枚書いていただき、2つの病院に話を聞きに行くことになったのでした。